デイサービスで受けられる機能訓練とは？機能訓練・歩行訓練の内容

 

歩行が心配なので歩行訓練を受けたい、身体が思うように動かなくなってきているのでリハビリを受けたいが、機能訓練とリハビリの違いが分からない、という方もいらっしゃるかと思います。

 

機能訓練とリハビリは厳密には異なるものですが、デイサービスではリハビリに近い機能訓練を受けることができます。

この記事では、デイサービスで受けられる機能訓練について解説します。

 

デイサービスでは機能訓練が受けられる

デイサービスでは一般的に食事、入浴、レクリエーションというサービスのほかに、「機能訓練」というサービスも提供されています。
これは、日常生活での動作や運動機能を改善・維持するためのサービスです。

 

機能訓練はリハビリと呼ばれることもありますが、機能訓練とリハビリは厳密には異なり、リハビリはデイケアなどで行います。

 

機能訓練とリハビリの違い

機能訓練とリハビリの違いとは

機能訓練とリハビリの大きな違いは、「医師の指示」に基づいて行う必要があるか否かです。

 

リハビリテーションとは、医師の指示に基づき理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職種が「身体機能の維持と回復」を目的に提供する訓練です。

 

一方で、機能訓練とは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの機能訓練指導員が「減退防止」を目的に提供する訓練です。

 

具体的な機能訓練の内容

機能訓練にはさまざまなものがあり、

・ラジオ体操
・歩行訓練
・関節可動域訓練
・昇降運動
・口腔体操
・脳トレ
・整体・マッサージ

などがあります。

 

内容は幅広く、イメージとしてはケガや疾病から回復するために行うマンツーマンのリハビリではなく、日常の身体機能の改善や維持を目的に集団で行ったりマンツーマンで行うものとなります。

 

デイサービスの機能訓練がおすすめの人

デイサービスの機能訓練がおすすめの人は以下のような方です。

・加齢による体力低下を感じている人
・身体機能の低下がみられる人
・他者との交流を希望する人
・家に引きこもりがちの人
・日常生活の介護を希望している人

 

手厚い医療ケアや専門的なリハビリが不要で、体力や身体機能の向上、人とのコミュニケーション、日常生活のサポートが必要な人はデイサービスがおすすめです。

 

食事や入浴など、日常生活を優先したい方はデイサービスが向いています。

 

一方で、医師や専門スタッフが常駐している中、手厚い医療ケアや専門的なリハビリが必要な方はデイケアがおすすめです。

 

デイサービスはデイケアに比べて施設数が多く、手続きもデイケアに比べて簡単なため、空きがあればすぐに通い始めることができる点も大きなメリットです。

 

デイサービスの機能訓練は専門家が行っている

デイサービスの機能訓練は一定の有資格者が機能訓練指導員として行うことが法律で定められています。

有資格者が運動機能向上計画書を作成し主体となって、ほかのスタッフと協力して機能訓練を行います。

 

機能訓練指導員になるための資格

機能訓練指導員は以下の資格のいずれかが必要です。

・看護師
・准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・柔道整体師
・鍼灸師

 

機能訓練を強化しているデイサービスは個別機能訓練加算を取り入れている

機能訓練を強化しているデイサービスは個別機能訓練加算を取得しています。
機能訓練を希望する場合は個別機能訓練加算があるかどうかを確認しておきます。

 

個別機能訓練加算には2種類あります。

・個別機能訓練加算Ⅰ
追加料金：1日あたり56～85単位
1日あたり560～930円が目安です。
このうち1～3割を自己負担します。

 

・個別機能訓練加算Ⅱ
加算Ⅰに加えて厚生労働省に個別機能訓練計画等の内容を提出し、フィードバックを受けていることが条件です。
加算Ⅰに上乗せして算定されます。

 

リハビリのみのサービスに特化したデイサービスもある

リハビリを中心とした短時間型のサービス

リハビリ特化型デイサービスは1回あたりの利用時間が3～4時間と、短時間となっていのが特徴の1つです。

1回あたりの利用時間が短いため、一般的なデイサービスに比べて費用が安く済む傾向があります。

 

介護度の低い利用者さんが多い

リハビリ特化型デイサービスは通常のデイサービスとは利用する方の目的が違います。

 

要支援の状態だが要介護状態になるのを避けるために体を動かしたい、病院から退院したものの体力に不安があるため指導員に付いてもらいリハビリをしたい、一般的なスポーツジムに行くのは厳しいが、運動の習慣を付けたい、といった方が利用します。

 

そのため、一般的なデイサービスを利用する方よりも要介護度が低い傾向があり、元気な方が多く利用しています。

 

入浴や食事のサービスは実施しないことが多い

デイサービスは食事や入浴、レクリエーション、機能訓練など、利用者さんの日常生活のケアが主なサービスとなります。
一方、リハビリ特化型デイサービスは利用者さんの身体機能の向上を目的とした支援がメインです。

 

機能訓練に重点を置いてサービスを提供していることが多く、食事や入浴などのサービスは実施していない場合が多いです。

 

デイサービスで行う歩行訓練

デイサービスでは施設によって内容は異なるものの、利用者さんの身体の状態に最適な歩行改善プログラムを実施します。
現在の歩き方の状態を機能訓練指導員がチェックし、その方に合った歩行訓練を行います。

 

例えば平行棒を使って前歩き、横歩き、うしろ歩きといった単純な歩行訓練に加えて、大股歩きや片足重心移動、ニーベンウォークなども実施し、関節の可動域を広げたり、筋力やバランスを保つ訓練を行います。

 

また、施設によっては整体師が疲労で凝り固まった筋肉をほぐしたり、身体を動かしやすくするための整体を行うこともあります。

 

利用者さんの状態や目的によって通う施設を決める

機能訓練とリハビリの違いや、デイサービスで受けられる機能訓練についてご紹介しました。

一般的なデイサービス、特化型デイサービス、デイケア、どれに通うかは利用者さんの目的や身体の状態によって変わります。

 

機能訓練やリハビリを希望する場合には、ケアマネージャーに相談して利用者さんに合ったサービスを選択すると安心です。