リハビリ特化型デイサービスとは?特徴・デイケアとの違い

 

デイサービスのなかには短時間で機能訓練に特化した「リハビリ特化型デイサービス」という施設が存在します。

 

リハビリ特化型デイサービスは体力づくりやセカンドライフを充実させるために利用される方も増えていますが、通常のデイサービスとサービス内容の違いを理解し、十分に検討したうえで利用することも大切です。

 

ここでは、リハビリ特化型デイサービスとはどのようなサービスなのか、ご紹介します。

 

リハビリ特化型デイサービスとは

機能訓練を目的とした短時間型のサービス

リハビリ特化型デイサービスは、主に介護予防を目的として体操や運動などの身体機能訓練や利用者がスムーズに生活ができるように日常生活の訓練を提供するサービスです。

 

理学療法士や柔道整復師など機能訓練指導員が在籍しており、1人ひとりの身体の状態に合わせて個別機能訓練を実施しています。
また、多くのリハビリ特化型デイサービスは3～5時間の短時間でサービスを提供しています。

 

介護度の低い利用者さんが多い

リハビリ特化型デイサービスの利用者さんは介護予防が目的の方や運動をしたい方、退院後のリハビリとして通いたい方などが中心です。

そのため、介護度が低い元気な利用者さんが比較的多いのが特徴です。

 

食事や入浴は提供されない場合が多い

リハビリ特化型デイサービスでは通常のデイサービスと同様、送迎やバイタルチェックなどは行われますが、一般的なデイサービスで提供されている食事や入浴は提供していない施設がほとんどです。

 

デイケアとの違い

リハビリ特化型デイサービスと混同されがちながのデイケアです。

 

デイサービスとデイケアでは利用目的が異なります。
デイサービスが自宅で自立した生活ができるよう支援を目的としているのに対し、デイケアは身体機能の回復、認知機能の改善などを主な目的として　リハビリなどの医療ケアを中心に行います。

 

デイケアは医師の指示のもとで計画書が作成され、専門性の高いリハビリを受けますが、デイサービス、リハビリ特化型デイサービスではケアプランに基づき機能訓練を提供しています。

 

リハビリ特化型デイサービスで行うプログラム

リハビリ特化型デイサービスでは利用者さんの希望や身体の状態に応じてさまざまな機能訓練を提供しています。
施設で取り入れられている主なリハビリのプログラムは以下のような内容となります。

 

関節可動域運動

いきなりトレーニングを行うと身体を傷めるおそれがありますので、専門の資格を持った職員が関節を動かしストレッチをして筋肉の状態を確認します。

 

体の柔軟性や痛みの有無をチェックするため、入念に行います。

 

筋力トレーニング

膝関節が悪い方でも関節の位置を細かく調整しながら運動療法ができる「レッグプレス」や歩行に必要な膝の伸展筋を鍛える「レッグエクステンション」などを利用し、筋力トレーニングを行います。

 

また、固定式自転車でペダルの重さを定量的に変化させ、運動による心電図変化の有無を診断するエルゴメーターを利用することもあります。

 

エルゴメーターは膝や足首の位置、曲がり具合や足のスムーズな曲げ伸ばし、下肢の循環、関節の可動域の改善に効果が期待できます。

 

歩行訓練

主に平行棒を使用し、ときには鏡を見ながら歩行時の癖や状態を確認して歩行訓練をします。
歩くときの転倒を防止するため、バランス訓練も行います。

 

リラクゼーション

専門資格を持った職員が、身体の状態に合わせて筋肉をほぐしたり関節可動域の回復を目指したりしたリラクゼーションを行います。

 

日常動作の訓練

自宅での生活や環境に合わせて日常動作の訓練を行います。
衣類の着脱やトイレ動作、入浴動作など、できるかぎり1人で行えるよう、自宅の環境に合わせて訓練します。

 

手指の運動

日常生活では手を動かす動作は欠かせません。

 

手指の握る、掴む、書くといった細かい動作訓練を行うことで食事や家事の不安が減ったり、動作が楽にできるようになったりする効果が期待できます。

 

手指の運動訓練では箸で豆を掴んだり、はさみで紙を切ったりなど細かい動作を訓練します。

 

施設によっては季節ごとに利用者さんと作った創作物を飾ったり、ほかの利用者さんとコミュニケーションを取りながら制作したりするなど、楽しみながらの訓練が可能です。

 

発音・発声訓練

唇、舌、首を動かすことで筋肉が刺激され、凝り固まった筋肉をほぐせます。
早口言葉に挑戦して口を大きく開きはっきりと発音することを意識するだけで表情筋も鍛えられます。

 

リハビリ特化型デイサービスの利用料金

リハビリ特化型デイサービスの利用料金は基本的に通常のデイサービスと同じです。

 

利用者が18名以下の小規模デイサービスで、3～5時間未満の短時間、自己負担割合が1割の場合の基本料金は次のようになります。

要介護1…426円
要介護2…488円
要介護3…552円
要介護4…614円
要介護5…678円

 

リハビリ特化型デイサービスの利用までの流れ

リハビリ特化型デイサービスを利用できるのは通常のデイサービスと同様、原則として要支援1～2、要介護1～5の認定を受けた方です。

サービスを利用するまでの流れは一般的に次のようになります。

 

担当ケアマネジャーに相談

介護保険サービスを利用する場合、担当ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。
まずは、ケアマネに相談して地域にどのようなリハビリ特化型デイサービスがあるのか紹介してもらいます。

 

施設見学

気になる施設は見学や体験を利用します。
利用するご本人との相性が重要ですので、ご本人に実際に見てもらうようにしましょう。

 

ケアプラン作成

利用するリハビリ特化型デイサービスが決まったらケアマネにケアプランを作成してもらいます。

 

契約

事業所からのサービス利用に関する説明を受けたうえで契約します。

 

利用開始

リハビリ特化型デイサービスの利用を開始します。

 

身体の状態や要望に応じて適切なサービスを選ぶ

リハビリ特化型デイサービスのサービス内容や利用の流れなどについてご紹介しました。

リハビリ特化型デイサービスはサービス内容が通常のデイサービスやデイケアとは異なります。

 

利用を検討する際には利用者さんご本人の希望を踏まえ、身体の状態に合わせて選ぶことが大切です。