デイサービスの4つの種類の特徴と各施設の利用対象者

 

デイサービスは施設に日帰りで通って介護や機能訓練を受けることができる介護保険サービスです。

 

デイサービスには一般的なデイサービスのほか、認知症対応型通所介護、リハビリ特化型デイサービス、療養型通所介護といった4つの種類があります。

 

このページではデイサービスの種類と、サービスの利用対象となる人はどのような方なのかをご紹介します。

 

一般的なデイサービス（通所介護）

一般的なデイサービス（通所介護）とは

デイサービス（通所介護）は利用者さんは自宅で生活しながら日帰りで施設に通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。

 

デイサービスでは可能な限り自宅で生活できることを目的として、施設に通いながらQOLの向上を目指します。

自宅から施設まで送迎があるため、自分で施設に通えない方も利用することができます。

 

また、入浴サービスが提供されているので、自分で入浴出来ない方、家族が入浴の介助を行うことに不安がある場合にもメリットがあります。

 

デイサービスの種類

デイサービスは事業所の規模により種類が分かれます。

 

【大規模デイサービス】

1日あたりの利用者が25名以上の施設です。
利用者さんや職員の人数が多いため、コミュニケーションが活発で、レクリエーションも種類豊富に提供されています。

社交的な人やさまざまな人とコミュニケーションを取りたい人、にぎやかな場所が好きな方に向いています。

 

【通常規模デイサービス】

1日あたりの利用者が19名以上の施設で、一般的なデイサービスではこのタイプのデイサービスが最も多く存在します。

大規模デイサービスに比べてアットホームで落ち着いた環境です。

事業所の数が多いため、利用者さんに合った施設を探すことができます。

 

【小規模デイサービス（地域密着型通所介護）】

1日あたりの利用者が18名以下の施設です。

民家を利用した施設も多く、アットホームな雰囲気で、利用者さんに合わせた細やかな心配りが特徴です。

大人数の環境が苦手な方や静かに過ごしたい方に向いています。

 

デイサービス（通所介護）の対象者

デイサービスの利用対象者は、要支援1～2、要介護1～5認定を受けた方です。
デイサービスは送迎があるため、施設の送迎エリア内に居住していることも条件となります。

 

認知症対応型通所介護（認知症対応型デイサービス）

認知症対応型通所介護（認知症対応型デイサービス）とは

認知症対応型デイサービスは、認知症の方が可能な限り自宅で自立した生活を送ることができるように、機能訓練やレクリエーションを通じて機能の維持、向上を目指すデイサービスです。

 

認知症の方を介護する環境が整っており、通常のデイサービスよりも専門的なケアを受けることができます。
また、施設のスタッフも認知症に関しての知識や経験を積んでいます。

 

認知症対応型通所介護の種類

認知症対応型通所介護の事業所には「単独型」「併設型」「共有型」の3種類があります。

・単独型…認知症の方のためのデイサービスを単独で運営している事業所
・併設型…特別養護老人ホームや病院などの施設に併設されている事業所
・共有型…グループホームなどの食堂や居間を利用して運営している事業所

 

認知症対応型デイサービスの対象者

認知症対応型デイサービスの対象者は認知症と診断された要介護1以上の介護認定を受けた方です。
事業所と同じ地域に居住している必要があります。

 

また、要支援1～2の方でも認知症の症状が見られる方は利用が可能です。

 

リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスとは

リハビリ特化型デイサービスは、主に介護予防を目的として体操や運動など、身体機能訓練や日常生活の訓練を提供しています。

柔道整復師や理学療法士などの機能訓練指導員が在籍しており、一人ひとりの身体能力に合わせて個別に機能訓練を行っています。

 

事業所によってトレーニングの種類と内容には幅がありますが、筋力トレーニングや持久力を鍛えるトレーニング、バランストレーニングなどを行います。

 

多くの施設では利用時間が3～5時間と短時間となっている点も特徴の1つです。

 

通常のデイサービスとの違い

リハビリ特化型デイサービスと通常のデイサービスとの違いは、通常のデイサービスが入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを中心に提供するのに対し、リハビリ特化型デイサービスはこれらのサービスの提供は最小限という点です。

 

マシントレーニングや機能訓練を中心に行い短時間の利用がほとんどのため、食事の提供は行っていないこともあります。

 

リハビリ特化型デイサービスの対象者

リハビリ特化型デイサービスの対象者は通常のデイサービスと同様、要支援1～2、要介護1～5認定を受けた方です。

また、トレーニングや機能訓練が中心となり、入浴サービスを提供していないことも多いため、利用者は元気な方が中心となります。

 

療養型通所介護（医療デイサービス）

療養型通所介護とは

療養型通所介護とは医療デイサービスとも呼ばれ、難病や末期がん、進行した認知症、脳疾患の後遺症など、重度の介護を必要とする方など、常に看護師による観察が必要な方を対象とした通所介護サービスです。

 

身体の機能向上のための訓練やレクレーションなどを医療スタッフのサポートのもと日帰りでサービスを受けることができます。

 

療養型通所介護は1日に利用できる人数が8名までと決められているため、心身共にゆったりと過ごすことができます。
また、利用者1.5人に介護・看護職員1人以上が配置されることになっており、ほぼマンツーマンに近い形でサービスが提供されます。

 

療養型通所介護の対象者

療養型通所介護の対象者は、

・要介護1～5の認定を受けた方
・難病、認知症、脳血管疾患後遺症など、重度要介護者
・がん末期の方

で、常時看護師による観察や医療ケアが必要な方です。

 

上記の病気に当てはまらない場合でも、常に看護師による観察が必要な場合はサービスの対象となります。

 

利用者さんに合ったデイサービスを選ぶ

デイサービスの4つの種類と特徴、それぞれの施設の利用対象者について解説しました。

 

デイサービスを選ぶときは利用者さんに合った種類のデイサービスを選ぶことがポイントとなります。
できるだけ利用者さんご本人と見学や体験に行き、相性の合う施設を選ぶことが大切です。