デイサービスはどのような人が利用している?利用のきっかけ・目的

 

ご家族のデイサービスの利用を検討されている場合、どのような人が施設を利用しているのか気になることもあるかと思います。
そこで、デイサービスを利用するきっかけや目的をご紹介します。

 

デイサービスを提供する目的

厚生労働省はデイサービスの目的を「通所介護及び療養通所介護」の文書のなかで次のように示しています。

 

「通所介護の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない」

 

つまり、デイサービスは、介護保険が適用される要介護状態の人への支援とQOLの向上を目的とした高齢者向けの施設であり、要介護状態の人の生活水準の向上にとどまらず、介護をするご家族の負担を軽減することも目的の1つだとしています。

 

デイサービスを利用するきっかけ

デイサービスを利用するきっかけにはどのようなものあるのでしょうか。

 

デイサービスでは、食事、入浴、機能訓練、レクリエーション、送迎の主に5つのサービスが提供され、利用する方はさまざまな目的でデイサービスに通い始めています。

 

家で引きこもりがちになり身体の動きが悪くなってきた

あまり外出しなくなり家で寝ている時間が増えていった結果、次第に体の動きが悪くなり、今まで1人でできていたことができなくなる、ということは多くあります。

 

週に数回デイサービスに通い、機能訓練を受けたり、ほかの利用者さんとのコミュニケーションを通じて自宅に引きこもりがちな生活を解消したり、身体の状態を維持する目的でサービスの利用を開始するというケースです。

 

入浴の介助が難しくなった

日常動作の介助のなかで、特に介助者に負担になるのが入浴の介助です。
デイサービスでは入浴サービスが提供されていますので、入浴を主な目的に施設を利用している方は多くいます。

 

デイサービスの入浴サービスを利用すれば、自宅の浴室をリフォームする必要もありません。

 

バランスの良い食事が難しくなった

健康的な生活を送るためにはバランスの良い食事が重要です。

 

しかし、家族が忙しく毎日食事を作るのが難しい場合や、食事の時間に1人になってしまう場合など、食事をとるのが難しいというケースもあるでしょう。

 

そのような場合は、食事を提供しているデイサービスを利用すると、栄養バランスの整った食事が可能です。

 

デイサービスでは利用者さんの状態に応じた食事の提供が可能なうえに、ほかの利用者さんとコミュニケーションを楽しみながら食事ができます。

 

食事内容はデイサービスにより幅がありますので、食事を目的に利用する場合は内容をしっかりと確認するようにしましょう。

 

家族への負担が増加してしまい、離れる時間が欲しくなった

介護はご家族への負担が大きく、体力面でも精神面でも疲れ切ってしまうこともあります。
デイサービスを利用すれば家族と離れる時間ができ、家族にとってもリフレッシュの時間ができます。

 

デイサービスの種類

デイサービスと一口に言ってもいくつかの種類があります。

 

一般型デイサービス

食事、入浴、排せつの介助、レクリエーション、機能訓練などを提供するデイサービスです。

 

一般型デイサービスは利用者の定員数により大規模デイサービス、通常規模デイサービス、小規模デイサービスの3種類に分かれます。
規模により雰囲気が異なり、さらに施設によって食事やレクリエーションの内容が異なります。

 

利用者さんに合ったデイサービスを選ぶことがポイントとなります。

 

リハビリ特化型デイサービス

病院を退院したものの、もう少しリハビリをして日常生活を取り戻したいという方や、最近体力が落ちてきたと感じている方におすすめの施設です。

 

歩行訓練や筋力トレーニング、マッサージといった機能訓練に重きを置いたデイサービスです。

 

リハビリ特化型デイサービスはリハビリを目的としていますので、食事や入浴の提供はなく、半日で終了することがほとんどです。
介護予防に取り組みたい方や身体的な介護が不要な方が多く利用しています。

 

認知症対応型デイサービス

認知症対応型デイサービスは認知症の方に特化したデイサービスです。
認知症の診断を受けた方のみが利用できます。

 

入浴、排せつ、食事の介助や日常生活の支援、機能訓練などのサービスを提供しています。

 

認知症専門のケアが行われるため、職員の手を煩わせてしまうのではないか、ほかの利用者さんに迷惑をかけそう、といった心配をする必要なく利用できます。

 

療養型デイサービス

療養型デイサービスは常時医療ケアを必要とする方を対象としたデイサービスです。

 

医療ケアが必要な方は外出も制限されることが多く、自宅にこもりがちです。
利用者さんの孤立感の解消や心身機能の維持、回復、さらにはご家族の負担軽減も療養型デイサービスの大きな目的です。

 

お泊りデイサービス

お泊りデイサービスは、通所介護ができる施設で日中の介護サービスを受けたあと、そのままその施設に宿泊できるサービスです。
いつも通っている施設に宿泊するため、慣れ親しんだ施設とスタッフがいる場所で安心して利用できます。

 

ご家族の事情により、夜に1人になってしまう場合などにお泊りデイサービスを利用でき、ご利用者さんにとってもご家族にとっても負担を軽減できるのが特徴です。

 

注意点は、お泊りデイサービスは介護保険の適用対象ではないため、全額自己負担となります。
また、宿泊する部屋が個室でない場合、パーテーションなどで仕切りを付けるため、プライバシーが十分確保できない場合もあります。

 

目的に応じた施設を選ぶ

デイサービスを利用することになるきっかけはさまざまです。
人によりデイサービスの利用目的は異なりますので、目的に合った施設を探すことがポイントとなります。

 

利用目的に合ったデイサービスを見つけるためには、ケアマネジャーによく相談して、いくつかの施設を実際に見学することをおすすめします。