ーリハビリ特化型デイサービスの特徴と普通のデイサービスの違いー

 

デイサービスには機能訓練に特化したリハビリ特化型デイサービスというものが存在します。

リハビリ特化型デイサービスは、サービスの内容も利用する人も普通のデイサービスとは異なります。どのようなデイサービスなのか十分理解した上で利用することが大切です。

 

今回は、リハビリ特化型デイサービスの特徴や、普通のデイサービスとの違いについて解説します。

 

 

リハビリ特化型デイサービスとは

 

リハビリ特化型デイサービスとは、個別機能訓練などを目的としたデイサービスです。

機能回復や維持を促進し、自立した生活をサポートすることを目的としています。

 

「自宅で元気に暮らしたい」

「けが予防、健康維持のために運動したい」

「フィットネスクラブに通うには体力的に難しい」

「できるだけ長く自分の足で歩きたい」

 

など、体力向上や身体機能維持を目的とした方を中心にニーズが高まっています。

 

 

リハビリ特化型デイサービスの特徴・普通のデイサービスとの違い

 

リハビリ特化型デイサービスには次のような特徴があります。

 

 

リハビリを中心としたサービスを提供する

 

リハビリ特化型デイサービスは、機能訓練に特化した介護保険サービスです。

そのため、1回の利用時間は3～4時間、半日程度となります。

 

午前と午後の二部制で運営している施設が多く、普通のデイサービスとは異なり、1日施設で過ごすわけではありません。

 

一方で普通のデイサービスは、日常生活のケアや生活支援、ご家族の休息時間を確保して介護の負担を軽減することが目的ですので、1回あたり8時間程度の利用が一般的です。

 

 

入浴、食事は行われない

 

リハビリ特化型デイサービスは機能訓練に特化しています。バイタルチェックや送迎などのサービスはあっても、入浴、食事のサービスがない施設が一般的です。

 

デイサービスの利用目的が入浴の方や、食事を楽しみにされている方には向かないといえるでしょう。

 

 

介護度の低い元気な利用者さまが中心

 

リハビリ特化型デイサービスは、介護保険サービスのなかでは通所介護の一種のため、基本的に要介護1以上の認定を受けた方が対象となります。

 

ただし、短時間で機能訓練を中心に行うことから、身体的な介護が必要ない介護度が低い利用者さまが中心となっています。

 

一方、デイサービスは入浴や食事、レクリエーション、機能訓練など、利用者さまの日常生活でご家族の補助が必要な支援を行うのが主なサービスです。要介護度が高い方や運動に自信がないという方はデイサービスが向いています。

 

 

普通のデイサービスでも機能訓練は受けられる

 

リハビリ特化型デイサービスでは機能訓練を中心にサービスを提供しています。しかし普通のデイサービスでも機能訓練は行われています。

 

デイサービスの機能訓練は施設によって違いがあるものの、代表的なものとしては以下のような内容です。

 

歩行訓練

関節可動域訓練

ラジオ体操

ゲーム・脳トレ

嚥下体操

口腔体操

 

リハビリ特化型デイサービスでは体操やマシンなどを利用した運動プログラムが多いです。

一方で普通のデイサービスでは、歩行訓練などのほか、ゲームやクイズなどを取り入れて楽しみながら手先を動かしたり脳トレをしたりするプログラムや、食事前の口腔体操など、日常生活の機能維持・向上を目的とした機能訓練を行います。

 

また、施設によっては一人ひとりの状態やニーズに応じて、運動を取り入れた機能訓練を行っているケースもあります。

 

 

リハビリ特化型では受けられない普通のデイサービスで提供されるサービス

 

デイサービスで食事や入浴をしたい方や、ご家族が仕事などで半日のサービスでは都合が付きにくいという方は、普通のデイサービスが向いています。

 

普通のデイサービスでは次のようなサービスが提供されています。

 

 

入浴

 

デイサービスでは、介護職員による入浴介助が受けられます。

 

自宅での入浴が難しい場合や介助するご家族の負担が大きい場合は、デイサービスの入浴を利用することで、利用者さま、ご家族双方の負担軽減につながるため、入浴を目的にデイサービスを利用している方も多いでしょう。

 

定期的な入浴は身体を清潔に保つことに加え、精神面でも良い影響を与えます。

 

デイサービスでの入浴時は、自分で出来る範囲は自力でできるよう、その方に合ったサポートを行います。

施設によってはストレッチャーや特殊な装置を使った入浴も可能です。

 

 

食事

 

デイサービスでは通常、昼食とおやつが提供されます。

バランスの取れた食事ができるため、食生活が偏りがちな高齢者にとって大きなメリットです。

また、食事はほかの利用者さまとのコミュニケーションの機会にもなり、社会的孤立感の解消につながったり、デイサービスを利用する楽しみの一つにもなります。

 

食事は施設内での手作りや、配食サービスを利用するなど、施設によって大きく異なります。デイサービス選びの際は食事内容に注目しておくのがおすすめです。

 

 

レクリエーション

 

デイサービスではレクリエーション活動が用意されています。

レクリエーションは主に施設のスタッフが企画し、楽しみながら機能訓練ができるものが人気です。

 

レクリエーションの内容は施設によって異なり、ゲームやクイズ、フラワーアレンジメントや外出レクリエーションなどがあります。

 

内容は利用者さまが安全に参加できるよう工夫されており、集団で行うレクリエーションが難しい方でも安心して参加できるように、職員が個別にサポートしながら行います。

 

 

ご本人とご家族に合ったデイサービスを選ぶ

 

リハビリ特化型デイサービスと普通のデイサービスにはさまざまな違いがあります。

 

リハビリ特化型デイサービスは比較的元気な方が対象で、半日で機能訓練に特化したサービスを提供しています。

そのため、介護度が高い方や身体を動かすことに自信がない方、半日のサービスではご家族の都合が付きにくい方、入浴や食事を希望している方にはリハビリ特化型デイサービスよりも普通のデイサービスの方が向いているでしょう。

 

普通のデイサービスで機能訓練をしっかりと受けたいという場合は、施設に問い合わせてみたり、見学の際にどのような機能訓練を実施しているかを聞いてみることをおすすめします。