デイサービスの機能訓練の内容とは?機能訓練とリハビリとの違い

 

デイサービスでは機能訓練指導員により機能訓練を行います。
機能訓練とリハビリは似たような印象がありますが、定義や前提条件に違いがあります。

 

今回は、デイサービスの機能訓練の内容、リハビリとの違い、両者は併用できるのかについてご紹介します。

 

デイサービスで行う機能訓練とは

機能訓練は介護保険の定義としては「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの機能訓練指導員が「減退防止」を目的に提供する訓練のこと」とされています。

 

デイサービスでは利用者さんの生活の向上を目的に、食事やトイレ、入浴、着替えなどの操作をスムーズに行うための日常動作訓練を主に実施しています。

 

「歩けるようになりたい」などの機能訓練のニーズは利用者さんによって異なります。
利用者さんに合わせた機能訓練を実施することで、より質の高い生活の実現を目指します。

 

デイサービスで行う機能訓練の内容

デイサービスの機能訓練では主に日常動作を向上させるために次のような機能訓練が実施されます。

・ラジオ体操
・歩行訓練
・昇降運動
・マッサージ
・脳トレ
・口腔体操

 

身体機能の維持・向上を目的とした機能訓練

腕を上げられるようになりたい、歩けるようになりたい、段差の昇り降りをスムーズにしたい、という利用者さんに、歩行訓練や筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行います。

 

身体機能の向上を目指すことを中心に機能訓練を行う場合は、「個別機能加算（Ⅰ）」を算定します。

 

生活機能の維持・向上を目的とした機能訓練

ここで言う「生活機能」とはIFC（国際生活機能分類）によるもので、構成要素は次の3つとなります。

 

1.心身機能…体の動き、精神の働き
2.活動…ADL、家事、職業能力、屋外歩行などの生活行為全般
3.参加…家庭や社会生活で役割を果たすこと

 

お風呂に1人で入れるようになりたい、トイレは自分で済ませたい、趣味のお教室にけるようになりたい、などの要望を持っている利用者さんに対して、実戦的な訓練を反復して行うものです。

 

具体的な生活行為や社会的関係の維持に関わる行為などに目標を設定し、日常生活における生活機能の維持と向上を図ります。

 

生活機能の向上を目的として機能訓練を行う場合は「個別機能訓練加算（Ⅱ）」を算定します。

 

機能訓練とリハビリの違い

機能訓練とリハビリはどちらも身体機能の改善が目的ですが、医師の指示に基づいているかどうかという点で異なります。

 

機能訓練は機能訓練指導員以外に特にスタッフの資格に制限はありませんが、リハビリは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職種が医師の指示に基づいて訓練を提供します。

 

通所介護（デイサービス）と通所リハビリテーション（デイケア）の違い

通所介護（デイサービス）と通所リハビリテーション（デイケア）は混同されがちですが、内容が大きく異なります。

 

デイサービス

デイサービスは要介護状態の方が自宅で自立した日常生活が送れるよう、生活の介助や機能訓練により、社会的孤立の解消と心身機能を維持するための施設です。

 

また、利用者ご本人だけでなく、ご家族の身体的・精神的負担の軽減も目的としています。

 

デイサービスは心身の健康を維持したい方や、認知症の診断を受けた方におすすめです。
機能訓練だけでなくレクリエーションやほかの利用者さんとの交流もあるため、心と体の健康維持や増進を図れます。

 

デイケア

病院や介護老人保健施設（老健）に併設していることが多く、要介護認定を受けた方で医師により専門的なリハビリが必要と判断された方が利用できます。

 

デイケアはリハビリが必要な方におすすめです。
医師の管理・指導のもと実施されるので、重い疾患を患った方でも利用が可能です。

 

デイサービスとデイケアの併用はできる?

デイサービスとデイケアの併用は可能

デイサービスとデイケアではサービス内容は異なりますが、併用して利用することも可能です。

 

デイケアからデイサービスへの変更も可能

デイケアからデイサービスに変更することも可能です。

 

デイケアのリハビリで状態が回復し、デイサービスに移行することは十分にあり得るケースですので、医療的なサポートが必要なくなった場合はデイサービスに変更していくと良いでしょう。

 

デイケアからデイサービスに変更したい場合はケアマネジャーに相談してアドバイスを受けるようにしましょう。

 

デイケア、デイサービスを検討するときのポイント

デイサービスやデイケアを検討するときは、いくつかのポイントをさえておくと施設選びにも役立ちます。

 

ケアマネジャーとしっかり相談する

デイサービス、デイケア、どちらも利用を検討している場合はまずはケアマネジャーに相談します。

 

受けたいサービスの内容や、現状で困っていることなどを具体的に話すようにしましょう。

ケアマネジャーと情報を共有しておくことで、実際に利用するサービスとの差異が生まれにくくなります。

 

気になる施設を見学する

気になる施設は積極的に見学に行きましょう。
特にデイサービスでは、施設ごとに雰囲気やレクリエーションのプログラムなどが大きく異なります。

 

複数箇所の施設を見学すると比較検討しやすくなりますので、できれば複数の施設を見学した方が良いでしょう。
また、できる限り利用者ご本人と一緒に行くことが大切です。

 

施設でやりたいことや趣味などを施設の職員に伝えておく

利用者ご本人がやりたいと考えていること、趣味などは施設の職員に伝えておき、目標を共有することが大切です。

 

施設側もやりたいことが分かっていると、それに合わせて機能訓練を考えることもできます。
目標が共有されていればご本人とっても高いモチベーションで機能訓練に取り組めます。

 

デイサービスでは利用者さんのニーズに合わせて機能訓練を実施している

デイサービスの機能訓練の内容やデイケアで行うリハビリとの違いについてご紹介しました。

 

機能訓練とリハビリの違いは「医師の指示の有無」です。
デイサービスとデイケアは併用ができ、デイケアからデイサービスに移行も可能です。

 

施設の利用を検討している場合は、ケアマネジャーに相談して、アドバイスをもらいながら選ぶようにしましょう。