ーデイサービスのレクを成功させる事前準備・当日の流れとはー

デイサービスのレクリエーションは、利用者さまがデイサービスを利用するなかでの楽しみの1つです。

 

レクを担当する職員は、盛り上げながら安全性を確保するなど、やらなければならないことも多くあります。

 

そこで、今回は、介護職員向けにデイサービスのレクリエーションを成功させるための事前準備、当日の流れについて解説します。

 

 

デイサービスのレクリエーションの準備で行うこと

 

STEP1 レクの内容を企画する

 

デイサービスのレクリエーションは、身体を動かすレク、脳トレのレク、手芸などものを制作するレク、コミュニケーション・交流を深めるレクなど、目的によりいくつかの種類に分けられます。

 

参加する利用者さまのケアプランやアセスメントシートなども確認しながら、目的を明確にしたうえで決めていきます。

 

所要時間や参加人数が決まっている場合は、これらの条件からレクを企画しても構いません。

これまで行ってきたレクリエーションの内容を参考にして企画を考える方法もあります。

 

 

 STEP2 企画書を作成する

 

実施する内容が決まったら企画書を作成します。

レクのタイトル、実施予定日、所要時間、対象者、ねらい、準備するもの、注意事項をできるだけ具体的に書き込みます。

 

 

STEP3 参加する利用者さまを把握しておく

 

レクリエーションに参加するメンバーをよく把握しておきましょう。

 

その日デイサービスを利用する利用者さんの身体の状態はもちろん、趣味、特技などを把握しておくと、楽しんでもらえそうな内容のトークを考えるのにも役立ちます。

 

 

STEP4 スタッフの役割を決めておく

 

参加者を把握したらスタッフの役割分担を決めておきます。

司会進行役、アシスタント役、それぞれのグループで進行をお手伝いする役、さらには参加者さんをサポートする役などに分けます。

 

 

STEP5 必要なものの準備

 

お手玉や新聞紙、風船、うちわなど、レクリエーションで使用するものを準備します。

途中で壊れてしまったときなどにすぐに対応できるように予備の準備も必要です。

 

 

STEP6 会場の設営

 

会場を設営する際は、利用者さんが座る位置やスタッフの立ち位置を決めておきます。

 

安全にレクリエーションを楽しめるように余裕を持ったスペースを確保しておくことが大切です。

 

 

当日の流れ

 

STEP1 グループ分け・誘導

 

会場の設営が完了し、準備ができたら利用者さんを誘導します。

グループ分けが必要なレクの場合はあらかじめグループ分けをしておきます。

 

全員が席に着くまでは先に座った方には待機していただくことになります。

BGMなどを流してリラックスできるようにしておいたり、スタッフがこまめに声掛けをしておくと良いでしょう。

 

 

STEP2 あいさつ

 

参加者がそろったら、進行役が挨拶をして、レクを始めることを伝えます。

レクリエーションの内容や何時まで行うのかなどを簡単に紹介します。

 

 

STEP3 アイスブレイク

 

レクに入る前に短時間のアイスブレイクを行います。

 

アイスブレイクとは、レクリエーションなどの場で参加者の緊張をほぐし、場を和ませたり温める目的で行うものです。

 

参加者どうしであいさつをしたり、握手などで軽いスキンシップを取ります。

 

このような簡単なスキンシップを取っておくと緊張がほぐれ、レクリエーションにも参加しやすくなります。

 

 

STEP4 説明

 

レクリエーションのルールを説明します。

ゆっくり、大きな声で説明することがポイントです。

 

一気に説明すると伝わりにくいこともありますので、1つのステップごとに区切って進めていくと良いでしょう。

 

進行役やサポート役が実演して見せると分かりやすくなります。

 

 

STEP5 レクリエーション開始

 

参加者にルールを理解してもらえたところでレクリエーションを開始します。

最初は練習ステージのように、本番のゲームの前に練習してもらうのも1つの方法です。

 

参加者の様子を確認しながら掛け声をかけて盛り上げます。

各グループのスタッフが1人ひとりを褒めたり応援して楽しい雰囲気を作ることがレクリエーション成功のポイントとなります。

 

 

STEP6 まとめのあいさつ

 

レクリエーションの終了を告げるとともに、締めのあいさつをします。

 

 

デイサービスでレクを実施する際の注意点

 

利用者さまの安全に配慮する

 

利用者さまの安全に配慮することはレクを実施するうえで最も大切なことです。

身体を動かすレクだけでなく、座ってできるゲームでも事前に参加する利用者さまの体調を確認しておかなければなりません。

 

利用者さまの身体能力などを考慮してそれぞれのレベルに合ったものを行うことも重要です。

また、ウォーミングアップも必ず行いましょう。

 

レクを実施する会場は利用者さまの転倒事故を防ぐために障害物になるようなものも片付けておきましょう。

 

 

レクへの参加を無理強いしない

 

デイサービスでのレクは強制ではありません。

利用者さんにレクを無理強いしないようにしましょう。

 

いつも積極的にレクに参加してくれる利用者さまでもその日の体調や気分によっては参加したくないかもしれません。

 

無理にレクに参加させようとして利用者さまが自分の殻に閉じこもってしまうリスクもあります。

 

事前に職員とコミュニケーションを取っておくこと、利用者さま同士のコミュニケーションを促し、誘い合って参加できるような雰囲気づくりも大切です。

 

 

明確な目的のもとレクを企画する

 

レクの目的を明確にすることも重要です。

ただゲームをするのではなく、「何のために」レクを行うのかを明確にしておくと、「できるところまで参加してみよう」という意欲のきっかけになります。

 

曖昧な目的でレクを企画すると、レクの内容そのものがぼんやりとしてしまい、楽しみのポイントが分かりにくくなってしまいます。

企画の際は、機能訓練としてはどのような効果があるか、どのように楽しんでもらいたいか、を具体的に考えることが大切です。

 

 

準備をしっかりと行い、レクを成功させる

 

デイサービスのレクリエーションは事前準備が成功のカギとなります。

しっかりと企画を行い、利用者さまに合った内容のレクを実施することで心から楽しんでいただけるレクリエーションを実施できます。

 

また、事前にシミュレーションを行っておくことで当日も盛り上がりやすくなり、楽しい雰囲気のレクリエーションとなります。

 

介護職員のなかにはデイサービスのレクリエーションで何を行うか悩んでいる方もいるでしょう。

過去に実施したイベントを参考に、利用者さんに合ったものを企画することが大切です。