ーデイサービスの食事の特徴と食事から考えるデイサービスの選び方ー

 

デイサービスでは昼食が提供されます。

食事を楽しみにデイサービスを利用する高齢者も多いので、デイサービスを選ぶ際には食事内容もチェックしておくことが大切です。

 

今回は、デイサービスの食事の特徴や、食事の面からデイサービスを選ぶ際にチェックしておくポイントをご紹介します。

 

 

デイサービスの食事の特徴

 

デイサービスで提供される食事にはおもに次の3つの特徴があります。

 

1.一人ひとりに合った食事形態で提供できる

 

デイサービスは利用者さま一人ひとりに合った形態の食事を提供できます。

たとえ栄養バランスが取れた食事内容でも、利用者さまが食べにくいメニューだと食が進みづらいでしょう。

食材を食べやすい大きさ、柔らかさに調理することで、食が進みやすいだけでなく誤嚥の防止につながります。

 

 

2.食事の際の姿勢や補助具に配慮している

 

利用者さまによっては食事の形態はもちろん、食べる際の姿勢や補助具の使用も重要です。

食事中の姿勢が悪いと誤嚥を起こす可能性があるため、誤嚥を防ぐためにも正しい姿勢を保てるよう、補助具を使用する場合があります。

 

 

3.旬の食材やイベントを意識したメニュー構成

 

デイサービスでは、旬の食材を使ったり、イベントを意識したメニューが提供されることが多いです。

利用者さまに食を通じて季節の移ろいを感じてもらうなど、食事を楽しんでもらうためのさまざまな工夫が凝らされています。

 

 

おやつの提供もある

 

デイサービスでは、昼食のほかにおやつを提供している施設もあります。

おやつはほかの利用者さまとの交流や団らんの時間にもなるため、楽しみにしている方も多いです。

クリスマスやひなまつり、利用者さまのなかに誕生日の方がいる場合は、おやつを囲んでイベントやパーティーを行うこともあります。

 

 

食事形態の種類

 

デイサービスでは、一人ひとりに合わせた形態で食事を提供できるとご紹介しました。

ここではデイサービスで提供される食事形態の種類をご紹介します。

 

施設によって対応している食事形態は異なります。

デイサービスの利用を検討している場合は、提供される食事形態がご本人に合っているか確認しておくことが大切です。

 

 

普通食

 

咀嚼や嚥下機能に支障がない利用者さまの場合は、一般的な食事が提供されます。

 

 

きざみ食

 

食材を細かく刻んで、咀嚼時や口を開ける際の負担を軽減できるようにした食事です。

ほかの介護食に比べて食材の見た目や香り、色などが損なわれにくく、食欲の減退が心配な場合でも安心して食事を楽しめます。

 

ただし、誤嚥のリスクがありますので、嚥下機能が低下している方には向いていません。

 

 

ソフト食

 

食材を舌や歯茎でつぶせるくらいの柔らかさに調理した食事です。

食材の見た目があまり変わらずに作られるため、見た目が良く、食欲が減退ぎみの利用者さまにも人気があります。

 

誤嚥のリスクを抑えられる点も大きなメリットです。

 

 

ミキサー食

 

ミキサーで食材を液体に近い状態にすりつぶし、飲み込みが難しい方でも食べやすくなるように工夫されている食事です。

しかし、誤嚥のリスクがあること、見た目が損なわれる点がデメリットです。

 

 

とろみ食・ゼリー食

 

くず粉や片栗粉などでとろみをつけた食事です。

飲み込む力が弱い方でも食べやすく、薬を飲む場合にも使われます。

 

 

デイサービスの食費に介護保険は適用されない

 

デイサービスで提供される昼食やおやつには介護保険が適用されないため、全額自己負担となります。

食費は事業者が自由に設定でき、施設ごとに料金が異なります。一般的には500～1,000円です。

 

 

デイサービスの食事のチェックポイント

 

デイサービスでの食事時間は利用者さまにとって楽しみの時間でもありますので、食事内容や食事の際の介助体制などは施設選びの重要なポイントです。

 

次にご紹介する点をデイサービス選びの参考にしてみてください。

 

 

食事はどこで調理しているか

 

デイサービスの食事には、施設で調理しているケースと給食や弁当を提供しているケースがあります。

給食や弁当の場合、どの業者に委託しているのかもチェックしておくと安心です。

 

 

食事の内容はどのようになっているか

 

提供されている日々のメニューはどのようになっているかの確認も重要です。

実際に提供されている食事については、デイサービスのホームページに掲載されていることが多いです。チェックしてみると良いでしょう。

 

 

食事形態は合っているか

 

食事形態はご紹介したとおり、普通食ときざみ食やソフト食などの介護食があります。

施設によって対応している食事形態が異なりますので、嚥下機能に心配がある場合は事前に確認が必要です。

 

 

食事の介助

 

食事のときの個々の姿勢づくりや食事自助具、補助具の有無も確認しておきましょう。

身体の状態に応じて施設のスタッフがどれくらい配置できるのかを確認しておくと安心です。

 

食事の際にお手伝いできるスタッフが十分いるデイサービスと、1人の介助者が何人もの利用者さまに対応しなければならないデイサービスがあります。

服薬のお手伝いの態勢の充実度も重要なポイントです。

 

施設の見学の際には職員の配置をチェックしたり、どのような流れで食事をするのかなどを聞いておくと良いでしょう。

 

 

口腔ケアはあるか

 

デイサービスの食事関連で確認しておきたい項目の一つに口腔ケアがあります。

口腔ケアは歯磨きなどで口の中を綺麗に保つだけでなく、健康保持や口腔機能向上のための機能訓練の効果があります。

 

多くのデイサービスでは食事前に口腔ケアを行っています。内容について確認しておくと良いでしょう。

また、食事前に誤嚥予防のための口腔体操を行っているかも確認しておくと安心です。

 

 

デイサービス選びの際は食事についても比較検討する

 

デイサービスの食事の特徴や、食事から考えるデイサービス選びのチェックポイントをご紹介しました。

 

食事は利用者さまご本人にとっても楽しみな時間であり、デイサービスによって内容に幅が出やすいポイントです。

嚥下機能に心配がある場合は、食事形態の種類や介助の態勢についても確認しておく必要があります。

 

デイサービスの食事は費用にも差が出る部分です。費用面と照らし合わせながら比較検討することをおすすめします。